認知とは、心理学的には外界からの様々な現象を、それが何であるかを判断・解釈する過程のことを言います。
簡単に言えば、「物事をどう捉えるか」ということですね。
そして、うつ病。
原因にもよりますが、うつ病の多くの人は、その人の「認知」が歪んでいるがゆえに、様々な心理的影響に左右されます。
例えば。
3回連続で宝くじに外れた人がいます。
その人が「たまたま外れただけだ。次はきっと当たる」と考えるか、「私は運のない人間だ。これからもきっと当たりようもない」と考えるか。
どちらの考え方がよいかという議論はここでは置いておくことにして、ここに存在するのが「認知の違い」です。
「認知の歪み」という言葉に明確な定義はありませんが、物事に対する考え方が極端に否定的であったり、自身への自信(ダジャレじゃないよ)が持てない、自己肯定感が低いがゆえに、自らに起こる事象に対しポジティブな見方をすることができなかったり、ほかにも様々な現象が考えられます。
認知の歪みの例として。
例えば上司からのパワハラでうつ病になった人であったら、抑圧された環境から生まれた自己肯定感の低下・自尊心の低下により、自らを存在意義のある存在と捉えることができないがゆえに、他人から受けた称賛の言葉を言葉通りに受け取れず、「そんなことない」「自分はそれほどの人間ではない」など自らの頑張りや努力をうまく肯定できないということが考えられます。
うつ病になる人は、もともとの性格が真面目であったり、頑張り屋であったり、一人で抱え込んだりするタイプの人が多いといわれています。
だからこそ、自分を追い詰めすぎたり、他人に相談できずストレスを抱え込みすぎたりして、うつ病になってしまうのです。
私がそうでした。
真面目過ぎる性格がゆえに、常に気を張っていたり、他人に相談できず自らでストレスを抱え込んだり。また自己肯定感が低いせいで自らの頑張りを素直に受け止めることができずどんどん自分を追い込みすぎてしまい、結果的にうつ病になってしまいました。
話を戻します。
要するに「認知の歪み」と「うつ病」には関係があり、この認知の歪みを少しずつ修正していくことが、うつ病の治療の一つの方法であるということです。
うつ病になった原因にもよりますが、もともとの性格に起因するところも多く、なかなか簡単にいくものでもありません。
ですが、自らの考え方の傾向を把握したり、価値観を見直したりすることは非常に重要なことです。
そのありのままの自分を受け止め、自らを肯定する。
それが認知の歪みを解消する第一歩なのではないかなと思います。
療法として「認知行動療法」というものがあります。
これは、その人の認知に働きかけて気持ちを楽にする、心理療法の一つです。
関連する書籍は様々ありますので、ぜひとも自らに合った書籍を見つけてみてください。
私も治療の中で、うつ病やメンタルヘルスに関する書籍はいくつか読んでいます。
時間があるときに、そちらも紹介できればと思います。
ではでは。
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